「大丈夫。金のことは心配ない」昔、父のこんな寝言に母と大笑いしたことを思い出した

妙にハッキリとした寝言でした。

心配だったんですよね。きっと…

父は50歳を前にして、新卒から働いていた会社を退職。

半年ほど母と遊んで暮らし、その後、現在の会社に

入って、前職の半分以下の給料から再スタートし、

元の額まで戻したらしいです。

件のうたた寝中の寝言は、ちょうどその頃の話ですね。

母は、父の退職に反対どころか、「いいね!遊ぼ!」

と言っていたそうで、まったく母らしいエピソード。

実際、その期間の母は、めちゃくちゃ楽しそうでした。

最近になって初めて父に、当時会社を辞めた理由を

聞きましたが、「給料も役職も上がって、自分の意見が

何でも通る。こんな環境では自分がダメになる、と

思ったから」だそうです。

この話を聞いていた夫と私は、思わず顔を見合わせ、

「あぁ、この親にしてこの子あり」。致し方なし。

安穏を良しとしない家系なのかもしれません。

夫も、本人曰く「俺も似たようなタイプ」のようで、

確かに待遇うんぬんよりも、仕事を通じて自身の可能性

を追求することを優先したいタイプとお見受けします。

傍から見れば羨ましいくらいの環境でも、本人の望む

ものではないとすれば、当の本人には苦痛ですよね。

せっかく縁あって、同じ時空を生きている者同士、

お互いが、よりよい場所を見つけられたらいいな、

と思っています。